高血圧・脂質異常症

高血圧

高血圧 福岡市博多区の山下司内科クリニック

高血圧の原因は2種類あるといわれており、糖尿病などの病気や薬による副作用を原因とするものと、遺伝的背景・生活習慣やストレスがからみあっておきる本態性のものがあります。

疾患や薬による原因の高血圧は、その本来の治療から見直していく必要があります。
それ以外の本態性高血圧は高血圧といわれている方の90%を占めるといわれており、本態性の方はその遺伝要因が60%、環境要因が40%といわております。

高血圧が長く続くことによって、心臓・血管・腎・眼底など全身の臓器に何かしらの障害が発生します。
代表的な高血圧合併症としては、脳出血・脳梗塞、心肥大、心不全、狭心症、心筋梗塞、腎障害があります。

血圧測定

診断は頻回の血圧測定が基本です。
院内での血圧測定では、少なくとも2回以上の異なる受診時に安静にしていただいて計測したもので診断します。
血圧値が持続的に収縮期血圧で140mmHg以上、拡張期血圧で90mmHg以上の場合に高血圧と診断します。家庭血圧では135/85mmHg以上が診断基準となります。

日本高血圧学会では130~139/80~89mmHg:高値血圧、
収縮期血圧 120~129mmHgかつ拡張期血圧 80mmHg未満:正常高値血圧、
120/80mmHg未満:正常血圧と定義されています。

とくに130~139/80~89mmHgは高血圧には分類されないが、リスクは上昇するため、高値血圧としています。
高血圧の分類は,140~159/90~99mmHg:Ⅰ度高血圧,160~179/100~109mmHg:Ⅱ度高血圧,180/110mmHg以上:Ⅲ度高血圧と呼びます。
予防医学的には、120 / 80mmHg以上は、定期的に様子を見ていかなければならない状態だとされています。

これは、120 / 80mmHg以上では、生涯のうちに高血圧へ移行する確率が高いためであり、他の病につながるリスクがあります。早いうちに生活習慣の改善や治療等を行うことが望まれます。
家庭血圧では135/85mmHg以上が診断基準となります。初診の方ではご家庭で測られた数値をメモして持ってきていただくと診断の助けとなります。

高血圧においては、持続的に血圧上昇があるかどうかや、早朝高血圧を確かめる必要があります。早朝の血圧というのは、非常に重要な数値なため、家庭血圧計(上腕で測定)を購入してもらい、血圧手帳に1ヶ月分の血圧を記入していただく場合もあります。高血圧症の方のコントロール目標は下記のようになっております。

降圧目標(診察室血圧)
75歳未満の成人 130 / 80mmHg未満
糖尿病患者 130 / 80mmHg未満
CKD患者(蛋白尿陽性) 130 / 80mmHg未満
75歳以上の高齢者 140 / 90mmHg未満

食事

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食事・運動療法、特に減塩についても説明して、できるかぎり実行してもらいます。
高血圧症は塩害といわれるぐらい塩分の関与が大きいのです。
最近では、塩分のみならずカリウムはやカルシウム、マグネシウムの摂取の重要性も同時に強調されています。いわゆるDASH食に近いものも推奨しています。

高血圧の薬

薬物治療を開始するかどうかは、日本高血圧学会の基準を参考に、「初診時に開始する場合」、「1ヶ月から3ヶ月経過みる」または「半年経過を診る」など様々です。
降圧剤も様々あります。お一人おひとりの病態をよく診させていただき、最も適切なもの、日本あるいは国際的基準にあわせて選択していきます。ご希望によりジェネリック医薬品の使用も積極的に行います。
本態性高血圧が高血圧症の大部分を占めますが、二次性高血圧といわれる腎臓血管の異常やホルモンの異常(アルドステロンなど)によってひきおこされる高血圧もあり、それを見分けていきながら、お薬の選択などを行ってまいります。

脂質異常症

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脂質異常症が疑われる方にはまず血液検査を受けていただきます。
コレステロール値、中性脂肪値、HDL値、悪玉コレステロールであるLDL値を見て、基準よりも脂質が多い方は、その値から動脈硬化学会の基準に沿って虚血性心臓病のリスクを分類して治療法を決定します。
さらに必要に応じてさらに詳細な脂質系の検査を行う場合もあります。

脂質異常症の危険とは

血液中の脂質が多い事が怖いと言われるのは、日常生活において自覚症状があまり見られないのに、突然大きな病気へと進んでしまいがちだというところです。高血圧の方は血管に強い圧力がかかっているところに、さらに脂質異常で血管が傷つきやすくなるため、脳出血、脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などのリスクが高まります。
検査結果の数値のそれぞれの異常が軽度であっても、いくつかの危険が重なり合うことで心臓病(心筋梗塞)や脳梗塞になる危険が非常に高くなることもありますので、注意が必要です。
血液検査の結果等で心配なところがあれば、どうぞご相談ください。

血圧、心筋梗塞、糖尿病や脳梗塞のような病気を予防するために食事や運動などもアドバイスしてまいります。

メタボリック症候群

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内臓脂肪がたまり、腹囲が一定以上あり、かつ血糖値の上昇か高血圧か、中性脂肪の上昇あるいはHDL(善玉コレステロール)の低下を合併している状態をメタボリック症候群(メタボリックシンドローム)と定義しています。
内臓のまわりに脂肪がたまると悪玉因子が多くでてくるようになり、そこから脂質異常、高血圧、高血糖などにつながってしまいます。腹囲の基準が一定以上であるかどうかは脂質異常のリスクを見るうえで重要な指針となります。

脂質異常の薬

リスクが高い方には、食事・運動のアドバイスだけでなく、すぐに薬物治療を併用する場合もあります。脂質代謝改善薬には種類がいくつもありますので、代謝異常に応じた適切な薬物を選択して使用します。

また、アルコールを飲まないのに肝臓に脂肪肝が起こってくる症状もあり、肝硬変から肝臓癌へのリスクとされています。
脂肪肝が起こる状態では、臓器ネットワークにも異変が生じ、心血管、脳血管障害、腎機能低下など多臓器の病変の引き金になる可能性があるとされています。
このような脂質異常には、一部の脂質代謝改善薬糖代謝の改善薬で治療効果があることがわかっています。お一人おひとりの状態に応じて治療を行ってまいります。

当クリニックでは、血管年齢の測定(血管の硬さ)をして動脈硬化の程度を判定したり、カラードップラーエコーによる頚動脈エコーで頸動脈の壁の厚さ(IMT)を測定したり、プラークというコレステロールの塊が頸動脈に存在しないかなどを調べる事が可能です。

診療案内

糖尿病をお疑いの方、何科を受診したらよいのかとお悩みの方、遠慮せず受診してください。【総合内科専門医:山下司】

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